インスタの方を更新してばかりで、ホームページの方の情報が古いままで大変失礼いたしました。
1995年開館以来、天井にはまっておりました、安達原玄始めて描いた曼荼羅である紺紙金泥の「高雄曼荼羅(
(胎蔵界)」(縦5.16m×横4.5m)。経年劣化が進み、二十数か所の亀裂や破れがあり、2023年冬季休館中に修復に出しました。
2024年末、ようやくすべての作業が終わり、本年3月20日の春季開館にあわせてお披露目となりました。
せっかく天井から降ろしたのですから、間近でご覧いただいてから元の位置に戻そうと考え、本年は床置きでご覧いただきます。
会期を2期に分けました。
前半は三分割展示です(~7月14日)。中心部分まで入ってご覧いただけますので、安達原玄渾身の筆意を間近でご堪能下さい。

後半は平置き展示です(7月17日~11月30日)。23枚からなる曼荼羅を合体させて俯瞰で大きさを体感いただけます。

主婦だった安達原玄が高雄曼荼羅と出合い、仏画を描かせて頂こうと心に誓い、一から仏教と仏画を独学で学び、絵の描き方を模索して17年かけて描いたこの高雄曼荼羅。
その篤い思いは、京都国立博物館で高雄曼荼羅を観た時に、自分の頑なな氷の用だった心を溶かして熱く血潮となって体中を巡るような感覚になった曼荼羅を描くことで、1000年もの昔に描いた人々の信仰心篤さを体感したかったから。そして12歳の時に亡くなった母への菩提を弔うためでした。
どこに飾る予定もなく、原寸サイズ以上で描きたい一心で描いたこの曼荼羅を目に留めてくださった方から展覧会開催を勧められ、開催すると本の出版と仏画教室の開催を勧められ、仏画師・安達原玄が歩み出したきっかけとなった仏画です。
たくさんの方にご覧いただけますと幸いです。